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駒川コラム

2020.06.17

「足ることを知る」は脳幹の強化から

人間の脳は、大きく分けて3層構造になっているといわれています(米国神経科学者ポール・マクリーン学説)。
 

 

一番内側から、爬虫類脳といわれる「脳幹(間脳含む)」、そして哺乳類脳といわれている大脳旧皮質。最後に霊長類、特に人間が大きく発達したとされる大脳新皮質の三層です。


 

          

 
(画像参照:日経グッディサイトより)          (画像参照:バトミントナカデミーより)




その中で、脳幹と大脳旧皮質は、もって生まれた状態ですでに完全に機能するように作られています。


たとえば呼吸することであったり、食欲であったり、体温を調節することであったりと、誰しもが自動的に発露されコントロールされています。

 

これに対して、人間が獲得した大脳新皮質は、後天的な学習によって情報をインストールしていかなければなりません。何もしなければ、動物たちのそれと大きな違いはないのです。

 

つまり人類はこの新皮質を活用することによって、大きく文明を発達させてきたのですが、果たしてその結果はどうだったのでしょうか?


以前、ある有名な神社の宮司さんとお話ししている時に、「脳幹エネルギーを活性化すると(私の仕事)、人間はより狂暴獰猛になりませんか?」と聞かれたことがあります。


地球上の生物界をみてみましょう。

地球の自然生態系を崩し、今にも地球を破壊せんとしている属種はなんでしょう?

他種族を絶滅やレッドゾーンに追い込んでいるのは誰でしょう?

趣味と称して他の動物への殺戮を楽しんでいる属種はなんでしょう?

同種族でありながら殺し合いを繰り返し、苦境に追いやっている種族はなんでしょう?



獰猛と言われている、ライオンやトラ、蛇など野生界の動物はみな、自分の生存に必要な最低限の捕食しか行いません。

地球上でもっとも貪欲な生き物は人間であり、自然界の動物はみな「足ることを知っている」のです。

冷蔵庫も銀行もないので、将来の不安を考慮して多めに獲物を蓄えておこうなとどいうこともありませんw


そのようなお話をすると、宮司さんは大いに納得してくださいました。



私の長年の臨床では、現代の私たちは特に大脳新皮質、とくに前頭葉を使い過ぎている。人によってはオーバーヒートしそうな位にまで酷使しているのです。

頭の中の雑音、頭の中のおしゃべりが止まらないということもそうです。

それによって、バッテリーの供給源である旧皮質の脳幹部分が疲弊してしまっている。

健全な状態から相当な割合でエネルギーが消耗低下してしまっているのです。


近年みられる、いじめやSNS上での度を超えた誹謗中傷なども、大脳皮質の使い過ぎであると言えるでしょう。


なぜならそれらは、後天的に受けた教育や環境によってインプットしていった情報からの結果であり、生まれながらにして備わっている機能や特質ではないからです。

生まれてからこれまでに、自分がどのような観念をもってしまったのか?

それによってどう無意識的に行動を選択してしまっているのか? 


「自分の性格なんです」と決めつけてしまう前に、その行動や性格の基盤となるインプットした情報に気づいていく必要があります。


心理学やカウンセリングなどでは、どのような心の傷(トラウマ)があり、それをどう癒していけばいいのかということを追求していきます。

しかしそれらをより効果的に働かせるには、脳幹エネルギーの弱った状態で大脳新皮質だけで解決しようとしても、容易なことではないのです。


ライオンあくびやIAメソッドによって、肉体生命力の根源である脳幹エネルギーを回復させてあげれば、脳幹が新皮質をコントロールする手綱を取り戻し自分の精神解放がより容易になっていくのです。

 

さらに言えば、旧皮質は元々はハートの意識と繋がった状態が本来の姿です。

前頭葉の使い過ぎによって、脳幹エネルギーが弱りハートの意識との繋がりが途切れてしまったのではないでしょうか


自分自身の、一人ひとりの脳幹エネルギーを活性化していくことが、より平和で調和した社会への近道になるのではないか?

私や私たちの仲間は、そのことを確信しています。

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